なぜ、今
ロボット × エンジニアリング なのか?

  • プログラミングはエンジニアリング(工学)に含まれますが、ロボットで課題を解決するための「ツールの中のひとつ」です。
  • 学術的には「ロボティクス」が一般的ですが、お子様への分かりやすさと、「物理 × 論理 に基づいた設計・構築・解決」というエンジニアリングのプロセスを重視し、「ロボットエンジニアリング」にしています。

かつて電卓が登場したときに「そろばん」は不要になると言われました。しかし、段位取得や大会での研鑽を通じて「個性を磨く文化」は、今もなお多くの人を惹きつけています。計算のための道具から「考える力を養い、自分を表現する」ための道具へと役割を変えていったのです。

これは移動手段としての車があるのに、私たちが「健康や身体を鍛えるため」にスポーツをするのと同じ理由です。

今、「プログラミング」教育も大きな転換期を迎えています。デジタル上の「どう実現するか(How)」という作業そのものは、AI が肩代わりしてくれる時代になりました。

しかし「ロボット」は違います。理不尽なノイズに満ちたアナログな「現実世界」には、デジタルのAIも完全には適応できていません。このアナログな世界を思い通りに動かすことは人間にしかできない部分が多く、しばらくは「人間の仕事」であり続けるでしょう。

これからの時代の即戦力として、本当に必要なのはプログラムを書く力ではなく「何を解決したいか(What)」という課題を自ら考え、AI やロボットなどの道具を使いこなして答えを導き出す「エンジニアリング」の力です。プログラミングは「考える力を養い、自分を表現する」ための道具へと、役割を変えていくことになるでしょう。

当教室は開校以来、一貫してこの「エンジニアリング」を伝えてきました。この度、実状に合わせて「ロボットプログラミング」から「ロボットエンジニアリング」へと呼称を改めました。

より本質的で、どんなに時代が変わっても色あせない「生きる力」を育んでいきたいと考えています。

今の時代、デジタル(仮想世界、論理)の AI は目まぐるしいスピードで進化し、完璧に見える答えを提示します。しかし、私たちが生きるアナログ(現実世界、物理)のロボットは、まだデジタルの進化に追いついていません。

  • デジタルは先行
    仮想世界の中には重力も摩擦もありません。プログラムは常に「数式通り」に動きます。入力と出力が安定します。
  • アナログは理不尽
    現実には重力があり、摩擦があります。ロボットのモーターやセンサーには、同じ製品でも個体差があります。これらのノイズのせいで、入力と出力が安定しません。

「プログラムは合っているのに、なぜかロボットが正しく動かない」という現実世界の理不尽なノイズこそが、AI がまだ解決できない領域です。デジタルが提示する正解を、いかにしてアナログな物理世界に適応させるか。この「物理 × 論理」の両面を解決し、最終的な判断を下すことが、エンジニアリングの本質です。

  • 「AIの幻影(ハルシネーション)」と呼ばれる「間違い」を提示する場合があります。

AI はとても便利です。当教室の講師も使っています。ただ、AI は時に古い情報を最新のように提示したり、もっともらしい「幻影」を見せたりすることがあります。デジタルの中だけで完結していると、その間違いに気づくのは容易ではありません。

そこで重要になるのが、「自分の頭で考え、多角的に検証する力」です。ロボットという目に見えるフィードバックを伴うエンジニアリングの過程では、多角的な「デジタルとアナログを往復する検証プロセス」が自然と身につきます。

  • デジタルでの検証
    自ら論理(コード)を組み直して矛盾を突き止める。あるいは自ら行った検索結果や、公式ドキュメントとの照合を行う。
  • アナログでの検証
    導き出した仮説をロボットという「物理的な実体」にダウンロードし、重力や摩擦といった現実の理不尽さの中で正解を確かめる。

AI の回答をただ鵜呑みにするのではなく、自らの力で正解を裏付け、納得のいく答えを導き出す。この姿勢こそが、これからの時代を生き抜く本物のリテラシーとなります。

アナログがデジタルに追いつき、ロボットがあらゆる現場に完璧に適応できるようになるには、もう少し時間がかかります。お子様たちが成人し、社会の第一線で活躍するのは、まさにその「過渡期」〜「成熟期」にあたります。そこで最も必要とされるのは、AI に任せきりにするのではなく、実際に手を動かして物理的な課題を解決する力です。

建設や配管などのインフラ維持や、社会を支える医療・介護の現場。さらには繊細な感覚を要する料理人や美容師、そして我が町「都城」が誇る大弓などの伝統工芸の職人に至るまで。

人間が「五感と手」を使い、その場の状況に合わせて工夫しなければならない、あらゆる「アナログな現場」に通じる力です。

また、さらにその先の未来、技術がさらに進化して仕事の形が変わったとしても、当教室で学ぶ「課題を見つけ、解決策を考え、実現する」というエンジニアリングのプロセスは、決して色あせることはありません。時代がどう変わろうとも、自ら考え、形にする力さえあれば、道は必ず切り拓けます。

当教室は、本気のエンジニアが作った「未来の秘密基地」です。お子様がワクワクしながら没頭し、自ら答えを創り出せる。そんな場所でありたいという想いから、この秘密基地は「入口は優しく、到達点は高く」設定された独自の環境を整えています。

  • 課題解決と「ブラックボックス」
    課題とゴール(What)を共有し、その間の仕組み(How)を考えます。適度なヒントを通じて「自力で解けた!」という感覚を大切に育みます。また入口を優しくするため、最初はブラックボックス(まだ仕組みが分からない)状態で学び始めますが、少しずつその中身を紐解いていくことで、本質的な理解へと繋げ、到達点を高くしています。

  • 通常のロボットキットにはない特殊パーツやサードパーティ製部品、コントローラーを積極的に導入。Pybricks(パイブリックス)による高度な制御と組み合わせることで、他では到達できない複雑な仕組みの学習ができる環境を整えています。
  • 集中とやる気を引き出す環境
    難しいことも直感的に扱えるよう、独自に Pybricks の日本語化やアシスト機能を開発し、思考を妨げない環境を構築。また「ヒナタ屋レコード」等で頑張りを評価し、自己肯定感を引き出します。さらに授業後の片付けを講師が行い、自由時間を設けることで、一秒でも長く「試行錯誤」に没頭できる時間を確保しています。

目まぐるしく技術が進化する今だからこそ、お子様たちに大切なのは何をすべきかを自ら決め、自分だけの正解を創り出す。そして、未来を動かす力を身に付けていくことです。

目まぐるしく技術が進化する今だからこそ、お子様たちに大切なのは何をすべきかを自ら決め、自分だけの正解を創り出す。そして、未来を動かす力を身に付けていくことです。

当教室はロボットエンジニアリングの原点である、この「試行錯誤のプロセス」をお子様と共に積み重ねていくことで、不透明な未来を切り拓く羅針盤でありたいと考えています。